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ロレックス デイトジャスト オーバーホール 修理 (有)友輝 全国配送対応
時計修理工房(有)友輝
ロレックス デイトジャスト Ref.79173G オーバーホール
ロレックス デイトジャスト Ref.79173G 文字盤ダイヤ脱落修理
ダイヤが脱落したロレックス・デイトジャストRef.79173Gの文字盤です。
脱落はメーカー以外でダイヤを後付け加工された文字盤で頻発するのですが、これは正真正銘のメーカー純正文字盤です。
それなのになぜ脱落が発生したのか?
そこには明確な理由がありました。
文字盤ダイヤが脱落したロレックスですが、本体側面には比較的浅い傷や凹みが無数にあり、内部ではヒゲゼンマイ(渦巻き形のコイル状部品)の偏心と自動巻きローターがたわんで下部の部品と接触した痕跡(機械外周部のさざ波状に黒く擦れた跡)がありました。
これは直ちに故障にはつながらない中程度の衝撃が恒常的に加わっていた事を示します。
こういった弱いショックが長期間加わると、ネジなどの脱落を招く事も多いのですが、今回のケースではダイヤ取付け部の緩みとなって現れたようです。
文字盤と脱落したダイヤの裏側です。
人件費の安い国で作成された後付ダイヤ文字盤では接着剤で固定されていて簡単に脱落しやすいのですが、純正文字盤では主に圧入する際の摩擦でダイヤが嵌るようになっています。
穴とダイヤ台座の径が緩すぎない絶妙なバランスとなっているのはさすがです。
拡大画像で見ると文字盤の裏とダイヤの枠に重なる4つの凹みが確認できます。
これはダイヤを圧入したのち、尖ったタガネで枠と穴の淵へ圧力を加え、両者を部分的に歪ませる事により固定する手法です。
枠と穴の嵌合摩擦だけに頼らずに、より確実な固定が可能となります。
再取り付けにあたっては、この凹みを元の組み合わせでズレないようにしないといけません。
ダイヤ枠にエポキシ接着剤を塗布し、正確に元の位置にセットします。
接着剤の量が多すぎると文字盤表面にはみ出して最悪の結果を招きますので、ごく少量の塗布にとどめますが、少なすぎても面に行き渡らないので、時計修理において接着剤の量の加減というのはかなり難しいものです。
接着剤が固着したら、跡をなぞるようにして再度尖らせたタガネで枠と穴を打ち、固定を確実に行います。
最後に脱落したダイヤ以外も全て軽く押してみるなどして固定が緩んでいないか確認する事が重要です。
同じ振動と衝撃を受けていますので、やはり固定が緩み始めている事も多く、この確認を怠ると納品後まもなく他の個所が脱落してしまう恐れがあるためです。
さらに、納品時にお客様への申し送り事項として「ブレスレットと併用したり、ゴルフなどの際に使用するとダイヤが脱落しやすくなりますので、出来る限りそういった振動や衝撃の発生する状況での使用はお控えください」とお伝えしました。
故障の原因をお客様にも知っていただき、今後の再発を防ぐという事が何より大事ですから。
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