たまにブレスの裏や隙間がこのような状態になっているものがあります。
ロレックス、特にエクスプローラーやサブマリーナに多いのが特徴です。
持ち主の方からの聞き取り調査から推測しますと、時計を装着したまま恒常的にシャワーを浴びていると水道水の塩素成分が残って、このような状態になる事が多いようです。
’80年代のロレックスにおける文字盤ひび割れ現象はサ
針の腐食が発生していることから、湿気の混入による現象
このひび割れた文字盤を「スパイダー」と称し、特別感の
この「スパイダー」なる状態に希少価値を見出しているお客様の場合、オーバーホールの際に”文字盤はこの状態のままオーバーホールをお願いしたい”とのご希望をいただく事がございます。
その場合、当社では必ず「細心の注意を払いますが、表面塗装の経年劣化ですので新たな剥離やひび割れが生ずる可能性は決して0%ではありません」とお伝えする事にしております。
著しい湿気の混入や長時間日光にさらされる等のハードな使用状況では無かったにもかかわらず、1980~1990年代初頭のロレックスの一部モデルでは、このような文字盤塗装のひび割れが発生します。
このヒビ割れ文字盤、日本ロレックスではオーバーホールの際に交換が必須となり、このような10Pダイヤ付の場合は大変高額な費用がかかります。費用面に加え「極力生産時のオリジナルで維持したい」という場合には、日本ロレックスでのオーバーホールは断念しなければなりません。
日本ロレックスの対応は不誠実のようにも思えますが、そこには当然ながらそれなりの理由があるんです。
このような状態の場合、オーバーホール後に文字盤塗装が剥離して塗装片が針と接触したり、内部の機械に侵入する可能性があります。
日本ロレックスが文字盤交換必須でないとオーバーホールを行わないのには、上記のような理由もあるものと思われます。
納品後、1000人にお1人ほどの割合で「傷が残っている。仕上げに不満がある」という申し出をいただく事がございます。
当社の標準仕上げはあくまでオーバーホールに際に無料のサービスとして行う、画像のような”簡易研磨”であり、全ての傷を無くすものではありません。
画像でも深い傷が残っている事がわかります。
傷を全て無くすことはケース/ブレスそのものの変形を伴いますので、当社ではあえて行っていませんが、お客様の方で完全な傷消しをご期待されていた場合は、こういった感想を抱かれる事もあるようです。
当社ページでその旨を解説しておりますが、同じ申し出が100人に1人=1%の割合に増えるようであれば、誤解が生じないよう、解説ページの表記改善をするつもりでおります。
他店でアンクル交換が必要という見積もりがされたロレックス・サブマリーナRef.14060Mです。
しかしアンクルは分解後に顕微鏡で点検しても全くダメージが無く、当然交換不要でした。
アンクルは裏蓋の開封だけで目視/点検可能ですので、当社ではお預かりした際の当日、15分お待ちいただいたその場での見積もりで「交換不要」と診断いたしました。
アンクルは部品単体でも現在¥10,000以上しております。
作業者によって部品交換に対する判断基準は異なりますので、一概にアンクル交換の判断が間違いとは言えないのですが、どういった判断によるものなのか知りたいところです。