唯一褒められる点(??)

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8月 17 2011 年

軍用の証(?)である裏蓋の刻印です。

拡大画像でもわかるように、とても綺麗に刻印されていますね。
なかなか良い仕上がりです♪

でも、こういった軍用の識別用刻印って、時計メーカーから納入された後、軍の手によって刻印される事が多いので、加工精度の面から見ると、やや粗い刻印であることも多く、こんなにクッキリ綺麗に文字が出ているのは珍しいんですけどね・・・

10年以上前にOHしたものは、けっこう粗い刻印でした。

2タイプ存在するのかなぁ(笑)

見えなきゃ・・・良くない!

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8月 17 2011 年

同じアングルから画像の赤丸部分、ベゼルの凹凸部分をクローズアップしてみましょう。

う~ん、何とも粗い仕上げです。

ここまで跡を残しておいてくれると、小型の丸鋸状のカッターを回転させて、この凹凸を加工しているというのが良くわかります。
大人の社会見学です。

この部分は、販売する際の画像には写りにくい箇所ですからね。

この時計の一貫したコンセプトである「見えなければいい」という思想は、見渡して周りに誰もいなければ、散歩中の犬のふんを回収しないような人達に受け入れられるのかもしれません。

買うんじゃなかった・・・と思わせるシーマスター

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8月 17 2011 年

ケースを研磨して仕上げる際、結構難しいのがラグのヘアラインと鏡面部分の境目なのですが、画像でもわかるように、ここは結構頑張っています。

しかし、その先に目を向けると、やっぱり馬脚を現しますね。

ベゼルの下部分、ケースと接する箇所ですが、サビ落としをしたかのように凸凹になっています。(2枚目画像赤丸部)

さらに、ケースのほうにはヤスリを滑らして削り過ぎてしまったような跡が見えます。

このシーマスター、買ってからがっかりさせられるという点では、雑誌の袋とじページと
相通ずるものがあります。

ブラックシーマスター300 その2

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8月 17 2011 年

 

このシーマスター300を手にとって、真っ先に注目したのは針の状態です。

前の記事の画像でもわかるように、一見すると何ら問題無さそうなのですが、キズ見、さらに顕微鏡レベルで観察すると、一枚目の画像の通りです。

ムーブメントの中心軸にはめ込む部分ための円形の穴(通称:ハカマ)が開いている、針の根元を見てください。

サビや経年劣化だけでは、このようにいびつな形状にはなりません。

何らかの要因で、大幅に削る必要があったものと思われます。

2枚目の画像は秒針の先端ですが、先端の形状がシャープに尖っておらず、非常に”甘い”形状である事がわかります。
夜光が入る部分の菱形切り欠きも、同様に甘い仕上がりです。

また、秒針だけでなく短針・長針も傷だらけでした。

何でこんな状態になっているのか??

それはこれからの記事を読んで、皆さんで推測してくださいね。
私はあくまで、この時計の客観的事実を述べてゆくに留めたいと思っていますので・・

ブラック(?)なシーマスター300

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8月 17 2011 年

最近、ネット上でよく売り物を見かける1960年代のシーマスター300です。

傷みやすい回転ベゼル、裏蓋/ケースは磨き減りやキズもなくピカピカ、文字盤も経年劣化が見られませんね。
40年経過した時計とは思えないコンディションです。

このシーマスターですが、最近購入したもののすぐに停止すると言う事で、点検/修理の依頼を受けました。

しかし、外装を一通り目視で点検した時点でほぼ判断はできていたのですが、裏蓋を開封してムーブメント点検した時点で、丁重に修理をお断りする事にいたしました。

これから何回かに渡って、”最近になって急に市場に出回る数が増えた”このタイプの軍用シーマスター300について、あくまで客観的に細部を紹介したいと思います。

 

無反射コーティング剥離

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8月 17 2011 年

 

そこで、醜く傷の入ったコーティングは画像のようにバフ研磨で
全て剥離してしまいます。

どうでしょう?どちらが綺麗に見えるかは一目瞭然ですね。

勿論お預かりした際に、お客さんには”傷入り”と”剥離後”の
この写真をお見せして、剥離する許可をいただいてから作業します。

直接的に光が反射する場合はあるものの、一般的な使用条件で時刻が
読み取りにくくなることはありませんので、お客さんからは、ほぼ例外なく
ご満足いただいてます。

光学レンズの加工/生産の仕事に携わっている知人が居りますので、
比較的廉価にて無反射コーティングを再加工することは可能なのですが、
使用するうちに再び傷が付いてしまうような状態にすることをお勧めする
わけにはいきません。

私は新品を販売してお金をいただいたら”はい、それまでよ”というのではなく、
次回のオーバーホール時期まで満足して使用していただくのが、修理人である
私の努めだと思っていますので・・・

無反射コーティング  最悪・・・

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8月 17 2011 年

思うに、これは販売店でショーケースに並べた際の見栄えや、雑誌やメディアで紹介
される際の写真写りや映像を意識した処理なのではないでしょうか?

新品の場合、表面のコーティングはきれいな状態ですので、ライトやショーケースの蛍光灯が反射せず、時計の顔とも言える文字盤が、非常にシャープに写ります。

要するに、ちょっと偏向的に強調した言い方をすれば「売る際の魅力を出来る限り高める効果はあるものの、使用していくうちに、みすぼらしさはより高まることになる。」と
いうのは言いすぎでしょうか。

ちなみに、ロレックスには無反射コーティングが施されてないんですが、ユーザーからは視認性に劣る、といった感想は聞かれないですよねぇ・・

輸入代理店で、とある有名ブランドの修理部門チーフを務める友人も、”無反射コーティングは不要”と言い切ってます。

無反射コーティングについて

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8月 17 2011 年

これは、最近のオメガ・スピードマスターやIWCの時計のガラス表面に
施されている”無反射コーティング”が、長期間の使用に伴い
服の袖や机などとの摩擦によって擦れて、無数にキズがついた状態です。

コーティング自体は非常に柔らかいものなので、腕の先に装着する時計の
ガラス外側に施すと、当然のことながら、やがてはこのように汚くなり、
時刻の読み取りの度に目障りにも感じてしまう状態となります。

このコーティングは、もともとカメラ等の光学レンズに施される処理です。
カメラのレンズは、光の反射による画像への写りこみを極力避ける必要が
ありますし、「専用の布以外で拭くのは厳禁、絶対素手で触ってはならない」
というものですので、これだけ柔らかいコーティングを施す意味があります。

では、なぜ時計のガラスにわざわざこんな酷い状態になるコーティングを
施すのでしょうか?

次回、正解がどうかはわかりませんが、私の推測を書きたいと思います。

これは??

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8月 17 2011 年

 

スピードマスター・オートマティックのガラス部分の画像ですが、この無数のキズの
ように見えるのはいったい何だと思われますか?

ガラスそのものにキズがついたのでは無いことは、おわかりになるかと思います。