こんなレア物をオーバーホールしました。
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当社ではお引渡しの際に交換した部品をこのようにお見せし、ご希望の場合はお持ち帰りいただいております。 これは”確実に部品交換しました”という証でもあります。 興味深いのは、オメガの場合は「御社で処分しちゃってください」と仰るお客様が多いのですが、ロレックスの場合は殆どの方がお持ち帰りになる事でしょうか。
手巻きの際にガタつく感触がするというスピードマスターですが、内部機械を固定するネジが緩んで上部に飛び出していました。 反対側の固定ネジも同じように緩んでいましたので、恐らく締め付けトルク不足でしょう。 ネジ頭の直径+厚さとネジ部の直径および長さから、ほぼ適正な締め付けトルクの推測が可能です。 また、工場出荷されてから人の手が入ってないネジを緩めると、その感触でおおよその締め付けトルクを体感/会得する事が出来ます。
昨年「手巻きの際に内部でガタつくような感触がする」 という症状でご依頼されたスピードマスターPro.です。 裏蓋内側のサインから、メーカー/正規代理店でないところで、おそらく平成24年12月にオーバーホールしてから2年未満でこのような症状となった事がわかります。
浸水したスピードマスターの文字盤です。 表面の水滴を乾燥させてもシミのような痕が残り、決して元の状態には戻りません。
塩素成分がステンレスを腐食させる事はさほど無いようなのですが、この場合、日常的にシャワーの水流にさらされる事には注意が必要です。 「防水機能が完全」ならば問題無いのですが、パッキンが劣化していたり、リューズの緩みに気づかないでいると、容易に水分が内部に侵入します。 その結果、決して新品状態には戻らなくなった時計を数多く見てきました。 防水機能はあくまで万一の際の保険と考え、必要性の無い限り湿気/水気は避けたほうが無難です。
スピードマスター1st.モデルの復刻版です。 この復刻版が発売されると、”生産数が少なく見た事がある人さえ希少”と言われていた1957年発売のオリジナルが何故か市場に出てくるようになりました。
’60年代オメガの傑作、通称”12角コンステレーション” 高級感のある革ベルトにして、いいスーツの袖口からこれが覗いてたら、職場の若い女子社員から「部長の時計ちょっと素敵だわ」とか思われちゃいそうなデザインです。 サビの影響でベゼルに亀裂が入ることが多いので、日本では秋~冬限定使用がおすすめです。
折れてしまったバネは、クロノのスタート/ストップの際に負担がかかる箇所です。 お客様にクロノの使用頻度を尋ねたところ「毎日数回」との事。 となると13年間で1万回は作動した事に!! そりゃ折れますよ
2年前にオーバーホールしたスピードマスターPro.のクロノグラフリセット機能不良。 これまでどの個体でも折れた事の無いバネが破損していたのですが、原因は使用状況にありました。 詳細は次回に。