時計雑誌などにもたまに紹介されていますが、一般的にオーバーホールが完了すると、裏蓋の裏側に日付や修理者独自のサインを入れます。
よく目にするのが、画像のように油性マジックで線を引いた後、先の尖った針状の鉄棒で”ケガいて”文字を書き込む方法です。
ケガくのは100年前から行われている伝統的な方法で、日本ロレックスでも採用されている一般的な手法なのですが、私はどうしても抵抗があるのです。
近年になり、油性マジックを併用するようになって非常に浅くなったとはいえ、裏蓋にあまり美しいとはいえない”跡”を刻み込んでいるような気がしてならないのです。
私は、いつでも消す事ができる極細油性マジックで書き込むだけにしております。
サインをケガくと、超音波洗浄を施してもサインは消えず、これまでの履歴がわかるという利点があります。
しかし、メーカーなどで一貫したサインでないと正確な履歴はわからないことが多いですし、湿気や水分が混入した場合、オーバーホール直後であっても、その履歴は有効ではなくなりますので、履歴よりも個々の状態を目視、点検して把握するほうが有効であると考えております。
見えない内部であっても、これだけの消えない跡を刻み込むことには躊躇してしまいます。
私がちょっと神経質に感じすぎているだけなのかもしれませんが・・・
僭越ではございますが、ここは時計のユーザーである皆様に質問をさせていただき、忌憚の無いご意見をコメント欄にて、ご回答いただければと思います。
時計の裏蓋に刻み込む形式のサインにはユーザーとして抵抗を感じますか?それとも特に問題ないと感じるでしょうか?
私と反対意見の方も、”見えない部分ですし、キズとは違うものですから全く気にしませんよ”等々、本当に遠慮なくお答えくださると嬉しいです。
率直なユーザーの方々の考えを聞いてみたいものですから
—
そうしましたら、以下のようなコメントが寄せられました。
私が否定派という事で、比較的同調いただいたコメントが多かったとは思いますが、ケガかずに済むならそれに越したことは無さそうです。
●書いてもOKです(^^ゞ
私は自分で極細マジックでかいています~
●僕も書いてもOKですが、裏蓋がシースルーの場合どうなるのでしょう!?
●ケース素材が安価なもの(SUSの類)ならば気になりません。
ただ金やPtなどになると正直、入れてほしくないです。
貧乏性なもので( ̄▽ ̄;)
●僕は、極細油性マジックがいいですね!
けがいた場合、キズとして見てしまったら、気になりますからね
●私は、けがき針で書かれるのは嫌ですね。
ミクロに考えれば、キズなので、錆も入りやすいですよね。
むしろ修理明細がきちんと書けるようなログブックみたいなものが予め時計に添付されていることが望みです。
●まぁ職人の腕の良し悪しはこの際、置いておくとして、きちんとOVHを受けた証であるはずなのに、逆にそうは見えなくしている気がします。
と、言うことは、時計を預ける身としては、何十年後かの姿を想像して最良と思われる方法をとってくださいとしかお願いできないですね。
勝手な想像ですが、私が職人だったら他人のサインなんか見ません(要するに目の前にあるのブツが現実)が、実際のところどうなんですか?
●遺跡やお寺の落書きみたいですねぇ。
意識のレベルは様々でも、伝えたい何か、残したい何かがそこにはあるのだと思います。
オーナーさんを含めて、時計の裏ブタに意味も無く落書きをする人はいないと思います。
ケースのキズ取りの依頼はあっても、裏ブタのキズ取りまで依頼されるオーナーさんって、どのくらい居られるのでしょう。
そこら辺が答えじゃないのかなぁと思います
●自分は油性マジックならオッケーです
●これじゃ、ラグの傷なんか、気にしないのかなぁ。
●私はなんだかいやだな~。
でもシール貼るわけにもいかないでしょうし・・・
何かいい方法はないものですかね。
●小傷に見えるのは殆どサインなんですねー!?
コレは少々酷いと思います(汗)
●単純に、またOHに出した時は2行になるんですか、
親父の時計にも、数字のケガキがありましたが、
次が疑問です
●正直、あまり美しいとはいえません・・・