近江神宮の境内には、天智天皇が作らせた漏刻台に倣った水時計が設置されています。
台座部分の銘盤には、この水時計が、1993年まで100年間に渡って日本におけるオメガの輸入代理店として、オメガのブランド力を国内に示したシイベルへグナー社から贈られたことが記されています。
ご存知のように、現在オメガの輸入/販売は、直営の日本法人であるスウォッチグループジャパンとなっています。
ここで私が感じた事は、「果たしてスウォッチグループはこういった活動をしているのだろうか?」という事です。
多くの人の目に触れる銘盤をつけて物を贈るのは、宣伝や節税といった意味合いも無いとはいえないでしょう。
しかし、宣伝効果といっても僅かなものでしょうし、オメガの販売に関して近江神宮が便宜を図るといったことも考えにくいのです。
これはやはり、日本の時計文化を語る上で欠かせない、近江神宮に対する敬意を表したものといえるのではないでしょうか。
外資系の商社とはいえ、幕末に日本で創設され、日本人の文化や習慣に親しみを持ち、日本に溶け込む努力をしていたシイベルヘグナーという企業の姿勢がこういったところから見て取れます。
Wikipediaで”日本シイベルへグナー”と検索してみてください。
シイベルに在籍していた年配の方、現在スウォッチにいる者、両方の知人がおりまして、その内情を耳にすることがありますが、時代の違いがあるとはいえ両社の企業姿勢には相当な違いがあると思います。
リーマン・ショック前まで、”オメガ 修理”と検索しても、オメガショップのHPにはなかなかたどり着けず、手間がかかって利幅も薄い修理はあまり積極的ではないのかとさえ思えました。
最近は新品の販売がさっぱりなせいか、かなり上位に表示されるようですが・・
これは個人的な感想ですが、銀座のハイエックセンター(スウォッチグルーブジャパン日本本社)の建物は、デザイン/見た目重視のせいかエレベーターの数が少なく、昇降に時間がかかってしょうがありません。
おそらく社内の基準時計は漏刻なんじゃなかろうかと・・・
はい、毒吐くのはこれくらいにして、次回からはGMTにもどります。