対策としては、とどのつまり ”分解前には、いつ如何なるときでもコハゼを解除して
ゼンマイをほどく”ってことになるんですが、このブログでは他では見られない内容が
売りですので、やっちまった場合どうするか、についても書くことにしましょう。
まずは全分解(OH)の際、いきなり角穴車、ゼンマイ部の受けを外すのではなく、
テンプ、アンクルの順に外すセオリーを遵守してください。
というのも、分解のマニュアルや時計修理について解説された本には書いてないん
ですが、ゼンマイをほどいたつもりでも、オイルの固着やサビなどにより香箱芯の
回転が妨げられており、ゼンマイがほどけ切っていないことがあるんですよね。
この固着した状態で香箱周辺を分解すると、角穴車や香箱がいきなり勢い良く回転して、ピンセットやドライバーの先端で表面に円形キズが刻み込まれるのです。
テンプ受け→アンクルの順に外す事を守れば、最悪ゼンマイを戻し忘れていても部品に醜いキズをつけないで済みますが、ここからが肝心です。
アンクルを外したとたん、ゼンマイがほどけていなくて輪列が”キュイ~ン”とターボが
かかったような高周波音を発して高速回転を始めたら、4番車かガンギにロディコを挟んで回転を止めてやってください。
香箱や2番車はトルクが強いので、ロディコや指では止められません。
手に持ったドライバーやピンセットでガンギや4番車を掴むのが最も早いのですが、
ヘタするとホゾを折ります。
ロディコならそういった可能性が極めて少なくなります。
ロディコをストッパーにしておき、あらためてコハゼを解除し、リューズを巻き上げと
逆に回転させて完全にゼンマイをほどいてやります。
いつもロディコをすぐに見つかる位置に置いておくことが肝心です。